2015年5月20日水曜日

準備運動 ~身体をひとつ弛める






  
   ◆準備運動

   活元運動を身体の内部から自発させるには
  まず、硬張った身体の何点かをひとつ、弛めておくことから
  始めます。


準備運動①  邪気の吐出

    邪気の吐出、と呼ばれる最初の準備運動です。
    息を深く長く吐き出し、鳩尾をひとつ、弛めます。

    鳩尾は、頭の中の忙しさ、気がかりなことへの執着、
    他者や外界への協調しずらさ、心配事の居座り
    などの頭の緊張度合が現われます。
    フッと頭を弛められない、、
    気を抜けない、、
    などが、この鳩尾の穴を硬張らせ、息を吐けなくさせるのです。


    
    肺に溜まった古い吸気をすべて吐き出すようなつもりで
    身体を前に屈めながら、吐き出していきます。

    鳩尾と云う処は、胸骨の下部の真ん中、入江のように
    三角に奥まった部分にある剣状突起から指三本下の
    あたりのへこみ、弛んだ穴にあいた部分のことを指して
    います。

    この鳩尾に第2指(人差指)、3指(中指)の指先を軽く当て、
    大きく息を吐いていきます。
    身体を前に屈めながら息を吐いていきます。
    息を吐くごとに鳩尾の穴が、さらに弛んでへこんで参ります。

    鳩尾に当てた指先を、弛んであいてゆく穴に添わせるように
    軽く押し当てさらに深く息を吐いてゆき、
    身体を前屈みに折りたたんでいきます。

    この時、身体を屈める速度が早いと吐く息より先に屈みきって
    しまいます。
    身体を前屈みしていく速度をゆっくりとし、息をゆっくり長く吐き
    切れるように微調整しながら折りたたんでいきます。

    身体の屈み具合は、おでこが床に付くか、付かないかぐらい
    までです。

    腰の硬さやお腹のつかえる方などは、苦しくないところまでで
    構いません。

    
    吐く息が早すぎて、床近くに頭が到達してしまい、そのまま
    息を吐き切ろうとしますと、逆に鳩尾が硬くなってきます。
    ですから、なるべくゆっくりと身体を屈め、息を口からはああと
    声に出して吐いていきます。


    邪気の吐出が上手くいきますと、あくびが出たり、涙目に
    なったりして、首から上の代謝が亢まり、頭が弛んできます


    3、4回程度行ないます。
    
    ※あくび等が出るまで、何度もやってもかまいません。
     しかし、あまりムキになってやることは、薦められません。
    






準備運動②  捻り運動



   腰を捻ります。

   頭をまずひとつ弛め、次に腰の硬張りをひとつ抜いて
   おくのです。

   左側から捻ります。
   左手側から背中を見るように少し、後方に反りながら
   捻るようにします。

   この時、捻る方向と反対の足の内股に逆側の手(右手)を
   当てると捻りやすいのです。
   
   ぐううと、捻り、捻りきったところで少し力を溜めて
   ポッと抜きます。
   ポッと抜くことで、フワッとその反動で上体が元に
   戻るように抜くのです。

   左右を交代に捻り、これも3、4回行ないます。
   捻りにくい方がありますから、その方向だけ2回ぐらい
   追加してもよいです。








   ◆止めの呼吸法(深息法)

   活元運動は、身体の中から自発的に動きが出てくる
   運動ですから、自然に動きが治まるまで出し切って
   しまう方がよいのです。
   動きには亢まりと終息があり、全体に静かになって
   終わります。
   
   しかし、最初のうち、訓練として習いたての頃は
   この動きの途中で、運動を止めることも「要求の中断」
   として運動の質を亢める一工夫になります。

   ただ、活元運動は途中で俄かに目を開けたり、ハッと
   意識運動に切り替えたりすることは好ましくありません。
   そこで、途中で終える場合などには、身体に節目を付ける
   ために呼吸法を用います。

   深息法という呼吸法を使います。

   息を深く吸い込み、下腹の丹田あたりにぐっと下ろし
   身体を緊張体勢にした状態で、目を開けるのです。
   活元運動は弛み、弛んでいく動きですから、息を吸い
   込んで、こらえた状態をつくり、引き締めた状態で
   日常のこの世界に戻ってくるという感じです。





止めの呼吸法  深息法


   ①息を口から吸いこみます。
    この時、手を下腹や足の付け根などにおいて
    丹田におのずと感覚が集まるようにしておきます。
    ※鼻から息を吸い込むのでは駄目です。
     口からすううと吸い込まないと腹に落ちません。

   ②息はまだ、吸い込めてヘソより上方までしか
    吸い込めていません。
    そこで、さらに吸いながらその息をいったん胸に
    吸い上げるようにします。
    肺と肋骨が大きく膨らみ上向きに持ち上げられる
    感じです。

   ③胸に吸い上げた状態でしばらくこらえていると、
    自然と上がっていた肋骨が下がってきます。
    それに合わせて「うーむ」と声に出し、同時に
    吸い込み吸い上げた息を一気に下腹に下ろします。
    丹田が充ちるように、下腹全体が背側までも
    大きく膨らむような具合に下ろすのです。

   ④丹田に落ちたらしばしこらえて、気が充ちていくのを
    感じ、目を片目づつ開けてから、ゆっくりと
    息を呼きます。
    
   ④これらは一連のひと息の吸気となります。
    吸って、吸い上げて、「うーむ」と下ろすのです。
    「うーむ」と声に出すことで鼻から少し息が漏れる
    のです、「む」で丹田にすとんと落ちるような
    感じで行ないます。

   
   少し、訓練が必要な呼吸法です。
   簡単には下ろせません。
   習熟して丹田に充つるように息を矯められるようになると
   この呼吸法は普段でも行なうことで、腰の強化法に
   なります。

   最初の頃は、難しいので息を吸い込んでグッとこらえ、
   身体をひとつ引き締めた状態で目を開けて、ゆっくり呼く
   と云う風な感じでもかまいません。

   いずれにしても緊張を作り出して、それから止めると云う
   ことを習慣とすると良いのです。








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